∞8《インフィニティ・エイト》

「リク、覚えているの?」

「てことは夏美も覚えているんだな。俺の夢じゃないんだな」

「うん。夢じゃない。私も、何回目かのループだって知っているから」

 リクが覚えていたなら、もう一つ気になることがある。

「ソラは?」

「…………昨日は何日だった? って聞いたら、「寝ぼけているの? 八月七日でしょ?」って言われた」

「そっか。リクと私だけでも記憶が残って、良かったのかな」

 三人全員が忘れなかったのは奇跡かもしれない。 

 前回の八月八日の記憶があるということは……。

 リクは静かに私の頭に手を乗せる。

「……俺たちは友だち。それでいいよ。ループの記憶があるうちに、兄貴とちゃんと話し合えよな」

 六回目の記憶を維持したリクは、昨夜祭で私に振られたことも覚えている。

「うん。ありがとう。……リクは強いね」

「いまさら気づいたのか? 俺は超強くていい男だぞ」

「あはは」

 リクの強さと優しさに、心から感謝した。