∞8《インフィニティ・エイト》

 いつものリクは溌剌(はつらつ)としているのに、いまはそんな気配がない。

 私の中に、同情で告白を受け入れるなんていう選択肢はなかった。

 かと言って、リクのことが嫌いというわけじゃない。

 迷いながら、自分がループの中で抱えている気持ちを吐き出す。

「……私、自分の気持ちわかってない。リクのこと好きか嫌いかの二択なら、好きだよ。でも、これは幼なじみとしての好き? 恋としての好きって、友だちの好きとどう違うの? 家族の好きとも、どう違うの? 違いがわかっていないのに、今すぐはっきり答えを出せなんて言われても、困るよ」

「……夏美」

 友愛と恋愛、家族愛のはっきりした境目が、私にはわからなかった。

 心は目に見える形がないから、大きさを測ることもできない。

 私の好きは、リクとソラが望む形をしているの?

 それがわからない。

 すごく残酷なことを言っていると思う。

 でも、ソラもリクも、きっと、明確な答えを望んでいる。

 傷つけたくないのに。

 どう答えるのが正解なのかわからなくて、気がついたら泣いていた。

「兄貴もなんか言えよ。兄貴だって、夏美のこと」

 リクはずっと黙ったままのソラにも矛先を向ける。

「……リク。明日にはここを発たないといけないのに、急かして答えを出させるのは、夏美の気持ちを無視していて、すごく残酷なことなんだ。やっとわかった」

 ソラが答えると、リクは視線を落として苦笑する。

 私が明確に答えられないことで、ひどく傷ついた顔をする。

 そういう顔をさせたのは私。