∞8《インフィニティ・エイト》

 ようやく落ち着いてからシアターを出て、近くのフードコートでご飯を食べてから地元に戻ろうかという話になる。

 いつもならリクが「肉食べたい! あとポテト!」みたいにリクエストをたくさん口にするのに、今日はやけに静かだ。

 リクはふと立ち止まって、空を見上げた。

 映画のラストシーンと同じで、今日の空は雲一つなく晴れ渡っている。

「あの転校生みたいに、突然命が終わっちまうこともあるんだよな。若くてもさ」

「そう、だね。テレビでも、重い病気で五歳まで生きるのも難しいって言われている子を見たことある。私たち、十八歳まで健康に生きてこれたのは幸せなことなんだよね」

 それでも長い長い人生の、途中だ。

 これから先、生きていく時間のほうが長い。

 リクはソラを横目で見て、それから私に向き合った。

「きっと言わないと後悔するから、聞いてくれ夏美。俺は、夏美のことが好きだ。兄貴に負けないくらい。本当は、引っ越しなんてしないで、ずっとこっちにいてほしい」

「リク……」

 これまでのループと同じように、リクに告白された。

「頼むから、同情で告白オーケーするのはやめてくれよ。惨めになるだけだ。恋愛対象外ならはっきり言ってもらったほうが諦めがつく」