∞8《インフィニティ・エイト》

「そんなんで足りるのか、兄貴」

「先を見据えた上での選択だよ」

 リクの疑問に、ソラはそれだけ答えた。

 シアターの入場開始のアナウンスが流れる。

 夏休み中だから席の大部分が学生で埋まっている。

 カップルが手を繋いで、微笑み合いながら階段を上がっていく。
 
 あの人たちから見たら、私たちはどう見えるんだろう。

 友だち同士かな。

 これまで自分が人からどう見えているかなんて、気にしたこともなかったのに。

 照明が落ちて暗くなると、大音量で公開予定の映画広告が流れ出す。

 ストップ映画泥棒! と、スーツを着たカメラ頭の人が躍り出て、映画がはじまる。

 主人公は高校三年生の女の子。

 母校は廃校が決まっていて、主人公と二人の男の子が最後の生徒だった。

 そこに訳ありの転校生がきて、最後の一年がはじまる──という物語だ。