∞8《インフィニティ・エイト》

「忘れちゃったんですか? いつも授業中に寝ているのがリクで、真面目に授業を受けているのがソラですよー」

「余計なことを言うなバカ!」

 すかさずリクのチョップが飛んできた。

 私も応戦するけど、身長差のせいで届かない!

「夏美もリクも落ち着いて。ひと前でケンカしない」

「あはははっ。思い出した思い出した! 小学校のときも三人はそんな感じだったねー、懐かしい。子どもの頃から変わらないんだね」

「ほれみろ、夏美のせいで笑われてるじゃねーか」

「私のせいなの?」

「セット扱いだから、片方だけってことじゃないんじゃないかな」

 数年ぶりに会ったお姉さんに笑われちゃった。

 そんなイレギュラーがありつつも、電車に乗ってバスにのりかえて映画館に向かった。

 館内のフードコーナーで、私はオレンジジュースとチュリトスを買う。

 ソラはホット紅茶。

 リクはチキンナゲットとホットドッグ二個ずつとLサイズのアイスウーロン茶。

 双子だけと、こんなところでも性格の違いが如実に出る。

 リクは運動部だったから、食べる量がとにかく多いんだよね。

 普段のお昼ご飯だって、リクはソラの二倍の大きさの弁当箱を使っている。

 たくさん食べているけれど、運動部だからか一切太る気配がない。

 どこにそのごはんが収納されているのかな。

 私は食べたぶんだけ太るのに、不思議。