∞8《インフィニティ・エイト》

「ちょいちょいちょいちょい! 俺そんなことを言ってなくね!? なんで俺だけホラーシアターに放り込むんだよ兄貴! 普通こういう時は全員同じ映画だろ!?」

 ツッコミを入れるリクに、ソラは涼しい顔で答える。

「夏美はホラー苦手って言ってるし、僕も別にホラーを見るつもりはないし。ホラーを見たいのはリクだけじゃないか。夏美が怖がりなのわかっててホラー映画を見せるなんてどうかと思うよ」

「あー、悪かった。俺が悪かったから。兄貴、いい性格だな本当に」

「リク、私に謝ってなーい」

「夏美もごめんって」

「次言ったら本当にリクをホラー映画に放り込むんだから!」

 結局三人で青春映画を見ることになった。

 検索してみたら、何年か前にベストセラーになった恋愛小説が原作らしい。

 本の評価は四つ星。楽しみだな。

「電車とバスの時間を見ると、十二時の上映がちょうどいいね。サイトから予約入れておこう」

「さっすがソラ。仕事が早い!」

「ちぇ。兄貴はそうやっていいとこばっか持ってくんだから」

 うまく言いくるめられたからか、リクはちょっと不満げだった。