∞8《インフィニティ・エイト》

「ソラ。いま上映中の映画って何があるの?」

 私はソラの手元をのぞき込む。

 推理サスペンス、ホラー、キッズアニメ、特撮ヒーロー。

 今日から公開の映画には、高校生が主人公の青春映画がある。

 ソラは青春映画を指す。

「これはどう? 夏美のぶんのチケット代は僕が出すからさ」

「いいの? ありがとう。ホラー苦手だし、これがいいかも」

「おー? 怖いのか夏美?」

 私のことバカにしてニヤニヤしてるの腹立つなぁ。

「そーだよ! 怖いのは嫌。なんでお金を払って怖い思いしなきゃなんないの? ホラー好きの人には悪いけれど、私には無理。おごってやるって言われても無理」

「文化祭のお化け屋敷でもすぐ泣くもんなぁ夏美って。二年生のとき手作りのお化け屋敷に入って、ハリボテおばけ見て逃げ出してたじゃん」

「ちょっと、黒歴史を掘り返さないでよ! ほんとに怖かったんだから!」 

 怖くて動けなくなって、ずっと涙が止まらなくて先生にも心配された記憶がある。

 たから今でもホラーは苦手。

 ソラが笑顔でリクに切り返した。

「わかった。リクは一人でホラーを見たいんだね。予約しておくよ。全米が震撼、大人も泣いて震えるほどの恐怖! って書いてあるからリクにピッタリじゃないか。僕は夏美と青春映画見るから」