∞8《インフィニティ・エイト》

「芯がないや。ごめんソラ、一本ちょうだい」

「いいよ」

 ソラはすっと引き出しから替え芯を出してくれる。
 横で見ていたリクは不思議そうだ。

「前から思ってたけど、なんで夏美はそんな使いにくいシャーペン使ってんだ?」

「えー? 使いにくいかな? すごく書きやすいけど」

「だってそのペンって0.3ミリじゃん。普通は0.5ミリだから、芯持ってるやついなくて、自分のを切らしても人から借りられな……………」

 何かを言いかけて、リクはそこから先の言葉を飲んだ。

 それから責めるような目でソラを見る。

「……やべぇ策士じゃねえかクソ兄貴。考えてみたら兄貴のシャーペンと手帳って夏美のと色違いじゃね? 牽制?」

「なんのことかな」

 兄弟の会話をしり目に、私は今のところわかっていることを書き出す。

 8月8日ループ
 1回目(暫定)
 2回目 ソラ前回の記憶あり
 3回目 ソラ前回の記憶あり 学校、商店街、お祭に行った
 4回目 夏美、ソラ前回の記憶あり 学校、お祭に行った
 5回目 今現在 夏美、ソラ前回の記憶あり