∞8《インフィニティ・エイト》

 たくさんの人の歓声、祭の賑わいがすぐそこにあるはずなのに。

 私だけ遠いところにいるように感じる。

 自分の気持ちがわからないよ。

 今感じているこのぐちゃぐちゃな気持ちを、きちんと言葉にできないことがもどかしい。

 ソラが送ってくれるというのを遠慮して、一人で家に帰った。

 母さんがリビングから顔を出す。

「おかえりなさい、夏美。お祭行ってきたんでしょ。楽しかった?」

「…………ねぇ、お母さん。昨日は何月何日で、今日は何月何日かな」

 この不可解な現象が夢だと思いたくて聞いてみる。

「おかしなことを聞くのね。昨日は八月七日で、今日は八月八日よ」

「……昨日は、八月八日じゃないの」

「何言っているのよ。まだ寝ぼけているの?」

 正しいのは母さんで、おかしなことを言っているのは私。

 昨日は、八月七日?