∞8《インフィニティ・エイト》

「あのー、ソラ先輩、今ってお時間ありますか? 迷惑でなかったら、今から勉強教えてくれませんか?」

「今から?」

 ソラは私とリクの方を気にしながら答える。

「あの、あたし赤点取っちゃって……ソラ先輩、数学も英語も得意ですよね。ソラ先輩って天文部で星の話をするときもすごくわかりやすいし、頼りになるし。だから、先輩に教えてほしいなって」

 芽衣さんは真剣そのもの。ずいっとソラに寄っていく。
 ソラは一見笑顔だけど、機嫌が悪いときのトーンで芽衣さんに答える。

「悪いけど、明日で夏美が引っ越すから、今のうちにいろいろ見てまわりたいんだ」

「そうですか……。今日は無理ですか。じゃあ今度、お時間あるときにお願いします」

「うん。そういうわけだから、早く行こう。夏美、リク」

 私はソラに引っ張られながら歩く。

 リクは後ろを見ながらついてくる。

「あいつ、夏美のこと完全スルーだったぞ。めちゃくちゃやなやつだな」

 リクがあの子に辛辣な評価をするところも、なんだか聞き覚えがあるような気がする。