俺と兄貴のソラは一卵性双生児ってやつだ。
違いを理解できるのは本人である俺たちと、両親くらいだ。
服は色違いなだけだから、小学校でクラスメートや先生たちから毎回間違えられる。
「先生ー」
「ええと……、ソラくん、かな?」
「いや、リクだけど」
「ご、ごめんね!」
何年も教師をしている人間ですらこれか。
まだ小学校に入学してふた月かそこらだ。
クラスメートもみんな、勝手に間違えて勝手に落胆するのムカつく。
だから俺も心の中では他人のことを『俺ちを見分けられる人』『その他大勢』に二分している。
あと、初対面の人間に必ずと言っていいほど聞かれる言葉がある。
「どっちがお兄ちゃん?」
「……俺が弟」
「へぇ~、お兄ちゃんのほうが落ち着いてるんだね!」
あー、クソめんどくせ。
この会話何回目だよ。
お前らは初回だけ聞いてるつもりかもしれねーけど、こっちは何千回と聞かれてんだよ。
生まれた時間は数時間しか違わないのに、必ず「どっちが兄?」「弟はやんちゃそうだね!」みたいな流れになる。
どっちが兄か、そんなどうでもいいじゃん。
聞いて比較して、なんの得があるんだよ?
昼休み。
遊びに誘おうと思って、教室にいた夏美を呼んだ。
「夏美」
「なに、リク?」
夏美は振り向きもせずに答えた。
……一瞬、息が詰まる。
クラスにいた他のやつらも、目を丸くしている。
「俺だってわかったんだ?」
夏美はきょとんとして、首を傾げた。
「どういうこと?」
これまで何人もの人に間違われて、うんざりしていた。
夏美は顔も見ずに、俺がリクだとわかる。
見分けてほしかったはずなのに、いざこうして簡単に見分けられると戸惑いしかなかった。
「え、だって、どう聞いてもリクの声だったよ」
「いや、俺と兄貴、声がまったく同じだろ。医者にも言われてる。データ上だとまったく同じって」
「うーん……そうかな? 全然違うよ。リクはリク、ソラはソラでしょ?」
夏美は小首を傾げて、あたりまえのように笑う。
すごくまぶしかった。
違いを理解できるのは本人である俺たちと、両親くらいだ。
服は色違いなだけだから、小学校でクラスメートや先生たちから毎回間違えられる。
「先生ー」
「ええと……、ソラくん、かな?」
「いや、リクだけど」
「ご、ごめんね!」
何年も教師をしている人間ですらこれか。
まだ小学校に入学してふた月かそこらだ。
クラスメートもみんな、勝手に間違えて勝手に落胆するのムカつく。
だから俺も心の中では他人のことを『俺ちを見分けられる人』『その他大勢』に二分している。
あと、初対面の人間に必ずと言っていいほど聞かれる言葉がある。
「どっちがお兄ちゃん?」
「……俺が弟」
「へぇ~、お兄ちゃんのほうが落ち着いてるんだね!」
あー、クソめんどくせ。
この会話何回目だよ。
お前らは初回だけ聞いてるつもりかもしれねーけど、こっちは何千回と聞かれてんだよ。
生まれた時間は数時間しか違わないのに、必ず「どっちが兄?」「弟はやんちゃそうだね!」みたいな流れになる。
どっちが兄か、そんなどうでもいいじゃん。
聞いて比較して、なんの得があるんだよ?
昼休み。
遊びに誘おうと思って、教室にいた夏美を呼んだ。
「夏美」
「なに、リク?」
夏美は振り向きもせずに答えた。
……一瞬、息が詰まる。
クラスにいた他のやつらも、目を丸くしている。
「俺だってわかったんだ?」
夏美はきょとんとして、首を傾げた。
「どういうこと?」
これまで何人もの人に間違われて、うんざりしていた。
夏美は顔も見ずに、俺がリクだとわかる。
見分けてほしかったはずなのに、いざこうして簡単に見分けられると戸惑いしかなかった。
「え、だって、どう聞いてもリクの声だったよ」
「いや、俺と兄貴、声がまったく同じだろ。医者にも言われてる。データ上だとまったく同じって」
「うーん……そうかな? 全然違うよ。リクはリク、ソラはソラでしょ?」
夏美は小首を傾げて、あたりまえのように笑う。
すごくまぶしかった。



