∞8《インフィニティ・エイト》

「ねえ、聞いてよ!」

 一年の二月。

 バレンタインが間近に迫ったある日の昼休みのこと。

 あたしは仲のいい友人に話を持ちかけた。

「ねえ聞いて! 私、ソラ先輩に告白しようと思うんだよね!」

 友人は「えっ」と微妙な表情をした。
 何その反応。

「……ソラ先輩って、双子の星野兄弟のお兄さんの方だよね」

「うん。そうだよ」

「…………あのさ。うちの兄ちゃん、星野兄弟と同じクラスなんだけどさ。ソラ先輩って……同じクラスの青井先輩と付き合ってるんじゃないの?」

 ありえない言葉が聞こえて、聞き返しちゃった。

「……は?」

「だって、二人は幼なじみで、入学したときからお揃いのペンと手帳使ってるって話だし」

 先輩に恋人がいるんだったら諦めたら? と遠回しに言われているのはわかった。

 けれどあたしは、そんなことくらいで諦められなかった。

「どうせその幼なじみが勝手にまねっこしてるだけでしょ! いるよね、そういうあざといアピールする子! 幼なじみだからって、図々しい! ソラ先輩に彼女いますか? ってきいたら、居ないって言ってたもん!」

 あたしは同じ部活というだけでも、他の子より一歩リードしているんだから!