∞8《インフィニティ・エイト》

「誰から?」

「リクが、明日の星まつりに、カナタとヒナタを連れて来るってさ」

 カナタとヒナタは、リクの息子。
 リクは専門学校卒業後にスポーツトレーナーになり、職場の女性と結婚した。

 リクは彼女と付き合い始めたときは有頂天で「俺の彼女が天使すぎる」というお惚気メッセージを毎日ソラに連投していた。

 普段温厚なソラも最終的に「うっとうしい!」と塩対応になっていた。

 その彼女と結婚したあとも、双子が生まれたときも、「うちの嫁と息子が可愛すぎる」と送ってくる。

 高校のときは淡白というか、そういうのしなさそうだなって思っていたんだけど。

 リクは親バカになるタイプだったんだなっていうのが新しい発見。

 なんなら年賀状も暑中見舞いも家族写真を送ってくるから「LINEで毎日送りつけるだけじゃ飽き足りないの!? いいかげんにしてくれ!」とソラがさじを投げた。

「リクのほうが先に父親になったのが、いまだに複雑だよ」

「それはー、誰かさんができる限り二人きりの時間がほしいって言ったからでしょう」

 その誰かさんは私を後ろから抱きしめて、首筋に顔を埋めている。

 結婚したあと、

『大学卒業したら夏美とのこどもが欲しいけれど、夏美とイチャイチャする時間が減るのも惜しいからこどもが生まれたあともイチャイチャ時間は削らないで』

 という、めちゃくちゃな要求をしてきた。

 釣った魚に餌をやらない、結婚したらモラハラ化なんて話をよく聞くけれど、ソラの辞書にそんな言葉はない。