∞8《インフィニティ・エイト》

 それから、宿の部屋でミラを寝かしつける。

 ミラはニャーちゃんクッションがお気に入りで、これがないと眠れないからお出かけのとき必ず持ってくる。

 私が高校生のときから使っているから布地がくたびれて、黄色の鮮やかさも褪せてきている。

 でもミラはそんなことお構いなし。

 クッションを抱っこしたまま寝ている。

 スマホがバイブして、画面を見るとリクからの着信だった。

 そっとミラのそばを離れて隣室で受話ボタンを押す。

『おっす、夏美。兄貴の仕事は片付いたか?』

「もうすぐ終わるよ。リクはいつこっちに来る予定?」

『明日ユウカとそっち行く。カナタとヒナタがミラに会いたがってるぞ』

 ユウカというのはリクのお嫁さんで、カナタとヒナタは息子たち。
 
 子どもたちは誰かさんにそっくりで、とってもやんちゃだ。

「ミラも会いたいって言ってるから、明日は遊び相手になってくれたら嬉しいよ」

『おう、伝えとく。兄貴にもよろしくな』

「うん。また明日ね」

 仕事を終えたソラが戻ってきた。

 私は通話を終えて、スマホの電源をオフにする。