∞8《インフィニティ・エイト》

「ええええええええっ!!?? ソラ、これ!!!!」

「勝手に読まない、という判断をした夏美は賢かった。途中で見たら飛行機の中で叫ぶことになっていたね」

 涼しい顔で笑うソラ。

 外堀を埋めるどころか、私が知らないうちに埋め立てた外堀の外側に、見上げるほど高い石垣を築かれていた。

「カモがネギを背負ってきたってこういうことを言うのかな」

「お父さんがニヤニヤしていた理由って、これのこと!? お母さんの巣立つって、こういう意味!? 早く言ってよ! ていうかいつの間にお父さんたちと話を勧めていたの!?」

「正月に一度、福岡の夏美の家に行ったでしょ。そのとき夏美のご両親に「高校卒業したら夏美と結婚させてほしい」ってお願いしたんだ。二人とも喜んでくれたよ。うちの子をよろしくって言って、その場でサインしてくれた。こっちに来る当日まで黙っておいたほうがサプライズになるからって、提案したのはおじさんなんだよ」

「ねえちょっと。本人である私をそっちのけで話をすすめてたの?? お父さんとお母さんもグルなの?」

「グルとはひどい言い方だなぁ。ご両親だって、娘と結婚する気のない男と同棲させないでしょう。「僕が夏美の夫にふさわしくないと思うなら婚姻届は破り捨てていいし、同棲も駄目だと言ってください」とちゃんと頭を下げたよ」

 私は何も知らず婚姻届(ネギ)を運んできたカモ。

 私がここにいることが、父さんたちの何よりの答えだ。

 旅支度をする私を見ていた両親は、さぞ面白かったことだろう。