∞8《インフィニティ・エイト》

「平気でアイスをあ~んってしてきていた夏美が、これくらいのことで照れるなんて想像できなかったよ。自分だってじゅうぶん恥ずかしいことしてたじゃない」

「ううぅ。ひどい、ひどいよ。ソラの意地悪。それに、結婚って、父さんと母さんとソラのところのおじさんとおばさん、リクにも話さないとでしょ? 今すぐなんて、そんな」

 もう頭の中ぐちゃぐちゃだよ。

 こんなタイミングでプロポーズされるなんて考えてなかったもん。

 ソラは笑顔で、父さんから託されたあの封筒を取り出した。

「ふふふ、夏美。これ、中身を見てみなよ」

「え、なんで」

「開ければわかるよ」

 なんで含み笑いしているの?

 笑うようなことが書いてあるの?

 ソラを横目で見ながら、封筒におさめられていた紙を開いた。

【婚姻届】

 何度読んでもそうとしか読めない。

 恋愛ドラマでよく見るあれ。

 しかも夫になる人の欄はソラの名前で埋まっていて、証人欄にはソラのお父さんと私の父さんの名前がある。

 私がサインすれば完成する状態の婚姻届。