∞8《インフィニティ・エイト》

「なにこれ?」

「いいか娘よ、この封筒をソラくんに渡すまで絶対に中を見るな。絶対にだ!」

「えぇ……? 何、そのひと昔前の芸人の「絶対押すなよ」みたいな前フリ」

「とにかく開けちゃだめだ」

 封筒には折り畳んだ紙らしきものが入っている。

 生活費?

 お金を入れるにしては封筒が大きいような。

 というか生活費なら、安全に配慮して振り込みにするよね。

「……もしかして、「俺の目の黒いうちは同棲を認めない!」みたいな古いドラマに出てくる頑固親父系の説教が書き連ねてあったりしないよね?」

「あっはっはっ! まさか。おれがソラくんに説教するなんてとんでもない。それに一緒に暮らすのを許さないなら、はなからここで見送りなんてしないだろうが」

「それもそっか」

 つまりこれはなんなんだろう?

 首を傾げつつ、封筒をバッグの中へしまった。