∞8《インフィニティ・エイト》

 少し時間をあけて、リクからLINEが来た。

『兄貴が風呂に入ってるから今のうちに面白い話のもう一つの方な。実は兄貴も、甘いもん苦手なんだ』

「え!?」

 びっくりしすぎて声が出ちゃった。

「私がアイスを差し出したとき食べてくれていたのに?」

『そ。小学校のときにさ、給食によくデザートがついてきていたろ?』

「うん」

『お前が「好き嫌いないのかっこいいねー」って言ったから甘いの苦手だって言えなくなって、それ以来夏美の前でだけは無理して食ってたんだよ。俺は面白かったからどこでボロを出すか見守ってたんだ』

 …………私はソラがものすごく苦手な食べものを、ニコニコ笑顔で差し出していたことになる。

 私がソラにアイスを差し出すとき、リクがいつもニヤニヤしていたのってそういう理由だったのか。

 もっと早く言ってくれていたら、無理させたりしなかったのに。

「も、申し訳無さすぎるんだけど」

『兄貴なりの背伸びだよ。夏美の前では一番かっこいい自分でいたいんだろ。っと、そろそろ兄貴が戻ってきちまうから、またな!』

 ずっと隣りに居ても、知らないことたくさんあるんだな。

 私のためにずっと背伸びしてたなんて、なんだか自然と口角があがっちゃう。

 カレンダーに印をつけて、ソラのところに行く日を、指折り数える。

 次に会えたら、なんて言おう。

 ソラはそのまんまでじゅうぶんかっこいいのにな。