∞8《インフィニティ・エイト》

「……やっと、終わったんだ」

「うん。私たち、今度こそ明日を歩けるんだ」

 ソラは私の顔を真っ直ぐに見て静かに言う。

「夏美……福岡の高校を卒業したら、僕と一緒に東京で暮らさない? ……だめかな」

 ソラの顔は真剣で、たった今思いついて言ったわけじゃないのがわかる。

 ずっと前から、言おうと思っていたんだろうな。

 もし一緒に暮らすようになったらあれかな。

 父さんや母さんがしているみたいに、朝はソラを起こして行ってらっしゃいのキスとおかえりのキスをするような感じ?

「おかえりなさいソラ、ごはんできてるよ」

「ただいま、夏美。ほら、忘れ物だよ」

「もー、ソラったら。チュ!」

 父さんたちのラブラブぶりを自分とソラに置き換えて想像してみたら、恥ずかしくなってきた。

 顔が熱い。

 あまりにも乙女チックな想像をしたことを悟られたくなくて、ソラを直視できなくなった。