∞8《インフィニティ・エイト》

 夏美が誘ったのは、僕だけ?

 リクが振られたって、いつ?

 そんなそぶり、これまで一度もなかった。

 ……リクは振られたのに、平気な顔をしてこれまで通り幼なじみをやっているってことか?

 リクの声が、一気に大きくなった。

「いつまで聞き分けのいい優等生を演じるつもりだよ、兄貴!! 夏美のこと、好きなんだろ!! 好きで好きで、どうしようもないんだろ!? なんでそれを言わねぇんだよ!! 夏美は明日の朝、福岡に行っちまうんだぞ!!」

 リクが声を荒らげても、僕は答えられなかった。

 振られるのは、怖い。

 夏美に「ごめん」と言われたら、それで終わる。

 それなら、何も言わない方がいい。

 友だちですらいられなくなるなら、友だちのままがいい。

「夏美が兄貴を選ぶなら、俺はちゃんと応援するよ。でも、兄貴は違うだろ? もし夏美が俺を選んでも、絶対応援なんてしねぇよな? そんなに出来た人間じゃねぇもんな!!」

 リクはすごく苛立っていた。