∞8《インフィニティ・エイト》

 将来の夢はなくて、なんとなくで決めた職場と、家を往復する毎日だったのかな。

 それで、ソラがたまに東京から帰ってきたら、世間話する。

 想像してみると、色気も味気もない日々だな。

「私は目標って言えるものがないから、ソラが夢のためにがんばってるの、すごいなって思う。かっこいいよね」

「そ……それなら……」

 何かを言いかけたけれど、飲み込んだ。

 ソラはときおり、自分の意見を言わずに終わらせる。

 ソラが隠そうとする何かを、聞かないといけない気がする。

「なあに、ソラ?」

「な、なんでもない」

「言ってよ」

 ソラの裾をつかんで、逃さないようにする。

 ソラは頬を赤くして、困ったように視線をさまよわせる。