それから二人とも無言で家に帰った。
しばらくして、リクからスマホに電話が来た。
『悪い、夏美。俺が後押ししようとしたこと、全部逆効果になっちまったんだな。変な嘘つくなって、さっき兄貴にめちゃくちゃキレられた』
「……ううん。リクは悪くない。信じるの、難しいに決まってる。今のソラにとって、昨日は八月七日なんだもん」
五回目までループの記憶を持ったソラが味方でいてくれたことは、奇跡のようなものだった。
ソラならいつでも私を信じてくれると、思い上がっていた。
馬鹿だな、私。
私だって全く記憶がない状態でリクとソラに「ループしてる」って言われても、イタズラじゃないかと思うもの。
記憶から抜け落ちてる、それは最初から経験しなかったのと同じ。
「……お前は知らないだろうけど、兄貴、ああ見えてめちゃくちゃ嫉妬深いからな。次の八月八日、兄貴にループの記憶がなかったら、俺は夏美と必要以上に接触しないように気をつける」
「うん」
「きっと、いつかループが終わるから。だから、諦めんなよ、夏美。お前が沈んでるの、見てらんてぇから」
「ありがとう、リク」
こうして協力してくれるリクが、次の八月八日も記憶を維持しているとは限らないんだよね。
明日こそは八月九日になるなんて期待が持てなくて、目の前は暗い。
もしかしたら私もリクも今日を忘れて、延々とループに気づかず時のうずに飲まれていくかもしれない。
通話を終えて、泣きたい気持ちで布団に横になった。
しばらくして、リクからスマホに電話が来た。
『悪い、夏美。俺が後押ししようとしたこと、全部逆効果になっちまったんだな。変な嘘つくなって、さっき兄貴にめちゃくちゃキレられた』
「……ううん。リクは悪くない。信じるの、難しいに決まってる。今のソラにとって、昨日は八月七日なんだもん」
五回目までループの記憶を持ったソラが味方でいてくれたことは、奇跡のようなものだった。
ソラならいつでも私を信じてくれると、思い上がっていた。
馬鹿だな、私。
私だって全く記憶がない状態でリクとソラに「ループしてる」って言われても、イタズラじゃないかと思うもの。
記憶から抜け落ちてる、それは最初から経験しなかったのと同じ。
「……お前は知らないだろうけど、兄貴、ああ見えてめちゃくちゃ嫉妬深いからな。次の八月八日、兄貴にループの記憶がなかったら、俺は夏美と必要以上に接触しないように気をつける」
「うん」
「きっと、いつかループが終わるから。だから、諦めんなよ、夏美。お前が沈んでるの、見てらんてぇから」
「ありがとう、リク」
こうして協力してくれるリクが、次の八月八日も記憶を維持しているとは限らないんだよね。
明日こそは八月九日になるなんて期待が持てなくて、目の前は暗い。
もしかしたら私もリクも今日を忘れて、延々とループに気づかず時のうずに飲まれていくかもしれない。
通話を終えて、泣きたい気持ちで布団に横になった。



