文化祭も無事に終わり、翌週からは通常授業。
写真部の投票も、僕の写真で誰かが1位になったらしい。そーちゃんから報告があったけど、大して興味もなかった僕は「ふぅん」と返しながらそーちゃんが撮ってくれた写真を見返す。
本当に、僕じゃないみたいだ。
また今まで通りのオタクライフをしながら、たまにそーちゃんと一緒に帰る日があったらいいなあ……と思っていたのだけれど。
実際に蓋を開けてみると。
「立花先輩! これ、クラスの女子10人分からのファンレターです! この前の夜空の衣装とても素敵でした」
「ふぁ、ファンレター⁉︎ あ、ありがとう……」
1年生の女子生徒から10人分のお手紙を教室入る前に貰い。
「立花くん……化粧水とか何使ってるの? 肌すっごい綺麗だよね……!」
隣のクラスの女子生徒に昼休憩時話しかけられたり。
「あの……放課後、体育館裏に来てください」
3年生の女子生徒に放課後の予定埋められたり。
「世界が一変したようだなあ、いいなあ立花……くぅ〜! 俺は結局彼女はデキなかったぜ……」
席替えして僕の隣になった坂下くんが机に伏せる。元気出して……と背中を摩っていれば同じく隣の席(坂下くんとは反対側の左)に座っている矢野くんが「誰でもいいから付き合いたいって欲が見え見えなのがよくないんじゃないか?」と冷静に言っていた。
「いいよなあ! 矢野は! 可愛い彼女がいて!」
「ああ。ありがとう」
「全然相手にされない!」
坂下くんのご機嫌はずっと斜めだ。なんて声をかけようか迷っていればまた教室の扉から「立花くん」と知らない女子から声をかけられる。
「おい! 立花! 学年で1番カワイイと噂されてる子だぞ! アピールするチャンスだ!」
肩を掴まれ坂下くんに言われる。何を? アピール? よくわからずにいれば「付き合うチャンスだろ!」と肩をブンブン揺すられる。
「僕二次元にしか興味無い――」
「バッカ! 今こそ脱却するタイミングだよ!」
僕がカワイイ女子生徒と付き合うことを強く望んでいるらしい坂下くんに内心首を傾げながら向かおうとすれば「立花」と今度は矢野くんに声をかけられる。
「……流されて付き合うのは、相手に失礼だぞ。その気がないなら、しっかり断れ」
彼女一筋の矢野くんからのアドバイス。うん、と頷いて廊下に向かう。
「あ! 立花〜。もし付き合う気ないなら俺を紹介してくれない⁉︎」
「だからお前は……」
「痛ぁ⁉︎」
矢野くんがため息をついて坂下くんの頭を軽く叩く。普段通りのやり取りを背後で聞きながら女子生徒に「何かな」と尋ねる。
「……わたしと、付き合ってほしいの」
体育館裏に行くよりも早く、告白された。しかも廊下で。通りすがる生徒たちが皆こちらを凝視している。相手は学年内で1番カワイイと噂されている女子生徒。
坂下くんだったら速攻で天に舞い上がって「はい喜んで!」と言っていたのだろう。
でも、どうしてだろう。
とても嬉しい展開なはずなのに、心が踊らない。
「えっと……」
「かっこいい彼氏がほしいの。立花くん、わたしと付き合って」
向かい合う女子生徒の後ろから歩いてくるのは、そーちゃん。近くに来て、告白されている僕を見つけて……背を向けて歩き出していく。
「あ……」
「はっきりして。オタクくんなんだよね。わたしみたいな子と付き合えることそうそう無いと思うけど。チャンスを棒に振るの?」
そーちゃんの元へ駆け出そうとすれば、女子生徒に立ち塞がれる。今すぐ返事がほしいらしい。……なんて返すのが100点なのだろう。
『流されて付き合うのは、相手に失礼だぞ』
矢野くんの言葉を思い出す。
深呼吸して、目を真っ直ぐに見つめて。
はっきりと告げる。
「ごめん。僕、恋愛には興味無いから」
それだけを告げて、去ってしまったそーちゃんを追いかける。
写真部の投票も、僕の写真で誰かが1位になったらしい。そーちゃんから報告があったけど、大して興味もなかった僕は「ふぅん」と返しながらそーちゃんが撮ってくれた写真を見返す。
本当に、僕じゃないみたいだ。
また今まで通りのオタクライフをしながら、たまにそーちゃんと一緒に帰る日があったらいいなあ……と思っていたのだけれど。
実際に蓋を開けてみると。
「立花先輩! これ、クラスの女子10人分からのファンレターです! この前の夜空の衣装とても素敵でした」
「ふぁ、ファンレター⁉︎ あ、ありがとう……」
1年生の女子生徒から10人分のお手紙を教室入る前に貰い。
「立花くん……化粧水とか何使ってるの? 肌すっごい綺麗だよね……!」
隣のクラスの女子生徒に昼休憩時話しかけられたり。
「あの……放課後、体育館裏に来てください」
3年生の女子生徒に放課後の予定埋められたり。
「世界が一変したようだなあ、いいなあ立花……くぅ〜! 俺は結局彼女はデキなかったぜ……」
席替えして僕の隣になった坂下くんが机に伏せる。元気出して……と背中を摩っていれば同じく隣の席(坂下くんとは反対側の左)に座っている矢野くんが「誰でもいいから付き合いたいって欲が見え見えなのがよくないんじゃないか?」と冷静に言っていた。
「いいよなあ! 矢野は! 可愛い彼女がいて!」
「ああ。ありがとう」
「全然相手にされない!」
坂下くんのご機嫌はずっと斜めだ。なんて声をかけようか迷っていればまた教室の扉から「立花くん」と知らない女子から声をかけられる。
「おい! 立花! 学年で1番カワイイと噂されてる子だぞ! アピールするチャンスだ!」
肩を掴まれ坂下くんに言われる。何を? アピール? よくわからずにいれば「付き合うチャンスだろ!」と肩をブンブン揺すられる。
「僕二次元にしか興味無い――」
「バッカ! 今こそ脱却するタイミングだよ!」
僕がカワイイ女子生徒と付き合うことを強く望んでいるらしい坂下くんに内心首を傾げながら向かおうとすれば「立花」と今度は矢野くんに声をかけられる。
「……流されて付き合うのは、相手に失礼だぞ。その気がないなら、しっかり断れ」
彼女一筋の矢野くんからのアドバイス。うん、と頷いて廊下に向かう。
「あ! 立花〜。もし付き合う気ないなら俺を紹介してくれない⁉︎」
「だからお前は……」
「痛ぁ⁉︎」
矢野くんがため息をついて坂下くんの頭を軽く叩く。普段通りのやり取りを背後で聞きながら女子生徒に「何かな」と尋ねる。
「……わたしと、付き合ってほしいの」
体育館裏に行くよりも早く、告白された。しかも廊下で。通りすがる生徒たちが皆こちらを凝視している。相手は学年内で1番カワイイと噂されている女子生徒。
坂下くんだったら速攻で天に舞い上がって「はい喜んで!」と言っていたのだろう。
でも、どうしてだろう。
とても嬉しい展開なはずなのに、心が踊らない。
「えっと……」
「かっこいい彼氏がほしいの。立花くん、わたしと付き合って」
向かい合う女子生徒の後ろから歩いてくるのは、そーちゃん。近くに来て、告白されている僕を見つけて……背を向けて歩き出していく。
「あ……」
「はっきりして。オタクくんなんだよね。わたしみたいな子と付き合えることそうそう無いと思うけど。チャンスを棒に振るの?」
そーちゃんの元へ駆け出そうとすれば、女子生徒に立ち塞がれる。今すぐ返事がほしいらしい。……なんて返すのが100点なのだろう。
『流されて付き合うのは、相手に失礼だぞ』
矢野くんの言葉を思い出す。
深呼吸して、目を真っ直ぐに見つめて。
はっきりと告げる。
「ごめん。僕、恋愛には興味無いから」
それだけを告げて、去ってしまったそーちゃんを追いかける。



