ライフ回復、ご当地グルメしか勝たん!

「由良さんちょっとー、これおかしいんだけど。ダブルクリックで開くって言ってたじゃん? なんかすごくたくさん出てきたんだけど壊れてるんじゃないこれ!」
「はい、どうしました?」

 田中さん五十歳。
 猫背気味な男性だ。
 神経質そうに親指の爪を噛みながら、私を見上げる。

 クリック連打しすぎてメールソフトタブが二十個も開いている。

「由良ちゃんのパソコンだと押した瞬間一つ開いてたじゃん!? 俺のなんかやたらいっぱい開いてんだけど! 壊れてるでしょこれ! どうすんのこれ!」

 私は無言で余計なタブの数々を消しまくった。

「タイムラグがあるから、ここの支社にある型番のような古い機種だと何秒かかかります。待っていただければ開くので。あと開きすぎたらこの、バツマークを押すと消せます」

「はぁ? そういうの最初に言ってよ! 使えないなぁ。なんのための研修係だよ。俺が若い頃は────」

 この人、せっかちすぎてカップ麺にお湯入れた瞬間に食うタイプだろうな。
 なんで私が悪いみたいに言うねん。
 と思っても顔に出したらいけない。

 年上相手には、営業スマーイル!

「はい、精進します」

 私に文句つける前に、最低限使えるように自分でパソコンスクールに通えやぁ!!
 
 脳内で壁際までぶっとぶくらいの回し蹴りかましてやった。
 あーもう。さっさとお昼ゴハン行こ。