ライフ回復、ご当地グルメしか勝たん!

「……で、ですから、山崎さん。この『Zoom』を使えば、わざわざ東京の本社まで新幹線で来てもらわなくても、画面越しに会議ができるようになるんですよ。ホーム画面にあるこのソフトをダブルクリックして……」

「いやぁ、由良(ゆら)さん。ズームだかなんだかしらんが、用事があるなら電話とFAXじゃだめなのかねぇ。ほら、声は聞こえるわけだし。あたたかみがないっつうかねぇ。特別用があるなら新幹線で本社行くしさ」

 御年五十八の仙台支社の支社長、山崎さんがお茶をすすりながらアホなことをぬかす。

 シバきてぇああシバきてぇシバきてぇ
 由良、心の俳句。

 東京から仙台の往復新幹線代がいくらかかると思っとるんじゃいこの化石がぁ!

 おおっと、取り乱してしまった。
 私は佐藤由良(さとうゆら)
 創業五十年、国内に五つの支社を持つ中堅海苔メーカーの事務員だ。

 今年で二十八歳。
 高卒入社だから社会人十年目だ。

 我社は今年度からDX化を推進している。
 本社の半分の社員はパソコンに明るいからテレビ電話会議をサクサクと行える。

 本社の社員なら。
 平均年齢が四十以上の支社はパソコンにうといメンバーがほとんど。

 始業時間にメールを送って返信が来るのが翌日の終業時間というレベルだ。

 だからこうして、私は研修担当として三日間こちらに出向する羽目になった。