十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

「水沢は……オレが男になったら、友だちやめるか?」

「いーや。性別でリクと友達になったわけじゃない。男になることを選んでも、今のままでも、どっちでも、リクが生きたい形を応援するよ」

 リクの話を聞いて、友達やめたいなんて一ミリも思わなかった。

 軽蔑どころか、むしろ尊敬の念を抱く。

 自分の心が男だと告白した勇気、手術を受ける覚悟。

 どっちも和香になかったから。

 リクの話を聞いて、手術をして男になるという選択肢があることを初めて知ったくらいだ。