十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

「ははは、気付いてたんだな。隠そうとしたオレの努力って何だったんだろ」

 ソファの背に力なくもたれて、リクは続ける。

「察したとおりだよ。オレ、恋愛対象は女なんだ。でもまわりのみんな、恋人ができたって言っても彼氏だったろ。……気持ち悪いって思われたくなかったし、男と付き合えば普通の女になれるかと思ったけど、無理だった」

 頑張ってみたけど、男を恋愛対象になんて、見られない。

 そう掠れた声で呟いた。

「普通って、なんだろうな。俺も、女らしくしろって言われるのホント苦痛だった」

 真っ赤なランドセルが嫌だったこと、制服のスカートが嫌だったこと、和香もリクもずっと抱えてきたいろんなことを話した。

 相手が同じ種の人間だと明確になったから、心からの本心を初めて言えた。

「俺思うんだ。戦隊の主人公はレッドなのにさ、なんで“女の子だからランドセルは赤”って言うんだろうな。今考えても理不尽」

「それな。男女平等っていうなら、女子制服もズボンにしてくれりゃいいのに。女だからスカートって意味わかんなかった」