十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

 十二月の半ば、例年よりはやく雪が積もった。

 雪が降ると消雪パイプという、車道の中央に埋め込まれた装置から水が細く吹き出す。

 車の人は走りやすくなっていいのかもしれないが、このあたりの土地は水はけがよくない。

 そのため歩道と車道の間、横断歩道のはじまりと終わりの地点はくるぶしより深い池ができあがる。

 寒いのに防水ブーツは浸水して靴下までビチョビチョ。

 学校についてすぐ、和香は靴下を絞り、教室のストーブ前で新聞紙を丸めてブーツに詰めた。

 学校にはこのときのために古新聞が大量に積んであるのだ。

 先客のブーツが何足か逆さに設置されている。

 この季節の風物詩だが、情緒もクソもない。