十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

 二年目の球技大会当日。

 和香は昨年と同様一回戦で負けて、希沙たちの応援に来ていた。

 今年はバレーの参加チーム数が少ないから、総当たり戦をしている。

 バレーのルールを知らないから、見ていても何が何やら。

 痛そうだなというのが率直な感想だ。

 負けてコートの外に出てきた。

 リクはまだ体力が有り余っているようで、のんきに片手を上げる。

「おっす水沢。もう負けたのか」

「やる気ないから棒立ちでわざと負けてきた」

 リクは汗を拭き拭き、和香の隣に腰を下ろす。

 希沙は次の試合までに飲み物が欲しいからと、自販機コーナーに行った。

「リクも希沙たちも去年より楽しそうだな」

「ははは。今年はオレらだけでなく対戦相手も素人だからな」

 去年の嫌味な先輩を揶揄して笑っている。