当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 知り合って間もなく、響司に幼馴染の女の子がいると知った。

 葉月ちゃんについては、"友人の幼馴染"以上の認識はない。

 観察してなんとなくだが、葉月ちゃんは、響司のこと好きなんじゃないかと思った。

 響司を目で追っていて、響司と話すときだけやたらニコニコしている。

 葉月ちゃんがいつか響司に告白するつもりなら、うかうかしていられない。
 響司がフリーの今しか、チャンスはない。

 葉月ちゃんには……申し訳ないと思う。
 幼馴染なら、好きになったのは昨日今日のことじゃないはずだ。
 

 響司と阿部を不自然じゃない形で引き合せるんだ。
 
 だから、嘘を吐いた。


「響司の幼馴染の葉月ちゃん、すごくいい子だな。俺、好きになっちゃった。どんなやつが好みかな。仲良くなるきっかけが欲しいからさ、今度俺の幼馴染もさそってさ、四人で出かけようぜ」