当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 ママは口元に手をあてながらニヤニヤする。

「あらあら。華音に彼氏ができたって報告したら、おばあちゃんびっくりしてひっくり返っちゃうかもしれないわね」

「えっ、言ったの?」

「まだ言ってないわ。どうせ夏になれば会えるんだし、そのとき華音の口から伝えたら?」

 キョウジとあたしの付き合いは形だけだなんて、家族のだれも知らない。

 Oma(オマ)に会うときにまだ嘘の恋人関係が続いてるかなんて、あたしにもわからない。

 だから迷いながら答えた。

「……うん、そうする」