当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 学校から帰ると、ぬいぐるみ(おともだち)を抱えたレオがあたしを出迎えた。
 
「ねーね、きょーくん、つぎいつくる? あした?」

「レオ、おかえりより先にそれ?」

「おかえり。ねぇ、きょーくんいつくる?」

 お姉ちゃんの帰宅より、キョウジがくるかどうかのほうが大事なの。 
 お姉ちゃんちょっと寂しい。

 前にキョウジがきたとき遊び相手をしてもらえたのが、よほどうれしかったみたい。

「お野菜ものこさず食べると、大きくなれるんだよ」とキョウジな言われてからは、野菜もちゃんと食べるようになった。

 キョウジはすごく背が高いから、説得力しかないよ。

「おっきくなったの、きょーくんにみせるの」
 という事で、おかえり代わりに言うようになった。

「わからないよ。いつこれるか、きいておくね」
「ぜったいだよ」

 レオに念押しされちゃった。
 ママもキッチンから出てきて、「また言ってるのね」なんて笑う。