「葉月。華音さん困ってる」 「え? あ、ご、ごめんね華音ちゃん。つい」 葉月はやっと華音さんの様子に気づいて、一歩下がった。 華音さんは頭を左右に振る。 「あたし、六歳までオーストリアで育ったの。言葉がまず、ドイツ語でうかんじゃう。日本語でいっきに、話されると、ほんやく、おいつかないの」 「そうなんだ、本当にごめんね。これからゆっくり話すように気をつける」 葉月は華音さんを真っ直ぐに見て頭をさげる。