当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「仲いいですね」

 歩さんは初田さんをつねりながら僕の方に目を向ける。

「そうねぇ。高校のとき、初斗の母親役みたいに言われてたけど。見ての通り、仕事以外のことはどうにもズレてるのよ。だから初斗がなんかやらかすたびに、あたしがセットで呼ばれてたわ」

「……ぼくは母の日の贈り物を用意しようとしただけだよ」

「動機がなんであれ、学校の花壇の花をつむのは悪いことなの!」

 二人のノリは学生のよう、僕と沢のそれに似ていた。

 歩さんはこほんと咳払いひとつして、僕に向き直った。

「それであなた、買い物で悩んでいるなら相談に乗るわよ。目的に応じてアドバイスするわ。ここにないものなら、ちょっと時間をもらうけど取り寄せも可能だから」

 なんとも頼もしい言葉をもらって、僕は歩さんに相談することにした。