当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 放課後の勉強会だって、華音ちゃんと二人きりで勉強するなんて聞いたから、四人での勉強会にしてもらった。
 だって嫌だもん、響司くんと華音ちゃんが二人きりになるの。

 沢くんが飲み物を買いにいくって言ったとき、チャンスだと思った。

 響司くんは長年一緒にいるから、私の好みをよく知っている。
 迷わず「任せるよ」って言った。

 響司くんが私の好きなものを買ってきてくれたら、華音ちゃんに私達の過ごしてきた時間をみせてあげられる。

 響司くんはあなたのことより、私のこと理解してくれてるのよって。
 一週間かそこらで、こえられるわけないの。


 華音ちゃんは「どれでもいいよ」って言ったから、きっと響司くん何も知らず華音ちゃんの苦手なもの買っちゃって、気まずくなるんだろうなってちょっと期待してた。

 なのに、


 響司くんは……華音ちゃんの好きなものを買ってきた。

 華音ちゃんはほんの数日で、私よりも響司くんに近いところにいる。