当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 そのダブルデートで、華音ちゃんと出会った。

 私は、ひとめぼれの瞬間というのを初めて見た。

 響司くんの目は華音ちゃんに釘付け。

 かわいくて、髪がきれいで、高校生と思えないくらいスタイルがいい。
 
 ……私に勝ち目なんて、あるわけないじゃない。
 きっと私は、二人の恋のおじゃま虫。当て馬。

 そういうポジションだ。

【運命の歯車が狂った】ってこういうときのための言葉だ。

 私は運命の分岐点を間違えて、『じゃないほう』の道に来てしまったんだ。

 あんな嘘、吐かなければよかった。