はしゃぎ疲れたのか、しばらくするとレオはクッションのうえでまるくなって寝息をたてはじめた。
華音はひざかけを出して、レオにかける。
「レオが、うるさくてごめん」
「うるさくないよ。レオと話すの楽しいから」
「やさしいね、キョウジは」
華音はレオの髪をゆっくりとなでる。
「こどものころから、って、いってたね。ピアノはじめたきっかけ、あった?」
「……僕がレオくらいのころ、母さんがピアノのソロコンサートにつれていってくれたんだ。そのとき聴いた曲がすごく、胸に残って」
目を閉じると、あの日のホールの光景を今でも思い出せる。
「そのピアニストはドイツの人で、僕はドイツ語を知らないし、作曲した人だって、何百年も昔の、異国の人だって母さんにきいて驚いた」



