当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 日曜日。

 今日は華音の家でテスト勉強する約束になっていた。

 僕は洗面所の鏡を見ながら、服装のチェックをする。

 表向きは恋人なんだから、彼氏らしく見える服装にするべきか。

 ジャケットのほうがよかったかな。

 ……いや、彼氏らしい服装ってなんだ。

 華音はたぶん、僕がこの服で行こうが学校の制服で行こうが気にしない。
 鏡の中の僕が百面相している。

 なにやってんだ僕。

 服装一つでもう十分以上こんなこと考えて。

 ダブルデートのときに服だけでなく葉月が前髪の具合すら気にしていたけれど、こういう気持ちだったのか。