当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 沢の提案で、休日ダブルデートすることになった。

 僕と葉月、沢、それから沢の友人だという女子の四人。

 友人は、僕らと同じ鎌倉海浜高校(かまくらかいひんこうこう)の一年生だという。

 葉月とは家が近所だから一緒に待ち合わせ場所に向かった。

「ねえ、これ変じゃない?」

 葉月はスカートのすそを気にしながら、今日五回目の質問をなげてきた。


「どこもおかしくないよ。大地先生とおばさんにも見せて、大丈夫だって言ってもらったんだろう?」

「そ、そうだけど」

 葉月はコンパクトミラーを見ながら、しきりに前髪をいじっている。

 沢のために念入りにオシャレして、僕に感想を求める。

 葉月にとって僕は恋愛対象外なんだな。

 再認識させられるのって結構きつい。