当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「華音はどうする?」

「買ってきて、くれるの? えと、あたしは、……どれでも、いい」

 僕が聞くと、華音は慌てて財布を出して、百円渡してくる。

 この学校の玄関前に設置されている自動販売機は、学生のために全品百円になっている。

 種類もミネラルウォーターからジュース、スポーツドリンクにコーンポタージュなど人気どころをおさえている。

「私は細かいお金ないから、明日返すね」

「りょーかい。行こうぜ響司」

 教室に華音と葉月を残して、玄関に向かった。