当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「響司、これどういう意味? わかんねー」

「ああ、これは……」

 放課後の教室。

 机を向かい合わせにくっつけて、勉強会の真っ最中だ。

 隣に座る沢が、本日三度目の質問をしてくる。

 僕の向かいでは、華音が国語の教科書を手にうなっている。

「なんで、ひょうたんからコマがでる?」

 日本語苦手って言ってたもんな。

「ううう……」

 華音の隣に座る葉月も、英語の教科書と戦っていた。

 四人でテスト勉強をはじめてはや三十分。

 沢が唐突に立ち上がった。

「うあー、喉乾いた! 響司、飲み物買ってこようぜ」

「そうしようか。気分転換にもなるし」

 僕もカバンから財布を出して席を立つ。

「葉月ちゃん何飲む?」

「私はお任せで」

 葉月は迷わず答える。