当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 代金を支払ってクッキーを受け取る。

 華音がクッキーの箱を持って、僕の手を引っ張った。 
 
「ふさがってたら、手、繋げない」
 
「ありがとう」

Ich(イッチ) liebe(リーベ) dich(ディッチ)の歌詞にもあるでしょ。あたしたちは全部分け合うの」 
 
 絡み合う指先から華音の熱が伝わる。 

 僕も手を握り返して、ゆっくりと歩き出す。

 これからも、僕らはこうして音を重ねていく。
 

 エピローグ2 僕らの協奏曲(コンチェルト)は続いていく fine