当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 クリスマスソングのBGMが流れていて、街を歩く人たちもみんな楽しそうだ。

「華音、あれラファエラさんへのおみやげに買っていこうか。コーヒーのお供になるし」

「いいね!」

 グリューワインの露店のすぐ近くには、焼き菓子の店があった。

 店のおじさんに声をかける。

Eine(アイネ) Packung(パックング)……華音、ナッツのクッキーってなんだっけ」
Nusskekse(ヌスククセ)よ」

 おじさんは僕らのやり取りを聞いて、笑顔で箱詰めしてくれた。

Date(デート)?」なんて聞かれて笑うしかない。