当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 とりあえず集計が終わったし、同窓会会場の店に最終人数の電話をいれる。

 あとは当日会費を集めればよし。

「よし、食ったし帰るかー」

「えー、せっかくだからカラオケとか行こうよ」

「やだよ。俺明日仲間とバスケする約束あるから、早く寝たい」

「つきあい悪ぅ」

 トレーを返却口にかえして、店を出る。

「それじゃ、次に会うのは同窓会当日かな」

「うん、そだね。またねー」

 手を振って散会。

 もう店の外はすっかり暗くなっている。

 ピコンとスマホが鳴り、ホームに通知が出た。

 親父からだ。

『もうすぐ帰るから風呂沸かしとけ』
 
 OKと返してポケットにスマホを突っ込む。

 楽しそうに腕を組んで歩くカップルとすれ違う。
 
 五年後、十年後の俺はどうか知らないけど、今はまだ彼女ほしいなーとか思わないし、仲間とバスケするのが楽しい。

 それでじゅうぶんだ。

 明日の試合のことを考えて、アパートまでの帰路を走った。 


 エピローグ1 気楽(コモド)な悪友 fine