当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 横井のやつは、高三のとき彼女と結婚した。

 そんで去年子どもが生まれた。

 あいつ、よく働けてるな、この文章力で。

 喫茶店に向かう途中に残る一人、葉月からメッセージが届く。

『ついたから先に店入ってるね』

 OKと返して店に急いだ。

 店に入ると、窓際のカウンター席に葉月がいた。

 俺はレジでパンとドリンクのセットを注文して、呼び出しベルを受け取り隣の席につく。

「おまたせー」

「おそーい。ジュース二杯目なんだけど」

「これでも急いだんだぞ。……てかいくつ食ってんだよ」

 葉月のトレーにはドーナツの空き袋が何枚も乗っていた。