当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「キョウジ、次は演奏会のれんしゅうね」

「うん。受賞者演奏会。大地先生が悲愴の第二と第三通しを推すから、練習してる」

「第三楽章も聴けるの? たのしみ!」

「夏休みが開けたら、学校でも練習するよ」

「やった!」

 華音がスキップして、繋いだ手を振り回す。

 鐘の音を聞きながら階段を降りていく。


 もう、僕らの間に嘘はない。
 素直な気持ちを伝えて歩んでいくんだ。