当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 キョウジの演奏が終わると、会場内はしんと静まり返る。

 なぜ全国大会でこんな簡単な曲を、と嗤っていたおじさんが、耳が痛くなるくらいの拍手をする。

 あたしも舞台を見上げて拍手する。

 キョウジと目が合う。

 いますぐ、キョウジのところにかけていきたい。
 
 キョウジに言いたい。

 あたしは、もう嘘の関係じゃ足りない。

 ほんとうの恋人として、隣にいたい。

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今回登場したIch liebe dichの和訳は作者がしたものです。
翻訳家によって多少言い回しが異なるので、読者様の知る翻訳版とは違うこともあるかと存じます。
ご容赦くださいませ。