当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 レオが僕の頭をとんとん叩いて言う。

「きょーくん。ぼく、つぎのはなびもきたい」

 来年の花火の頃、僕はこうしているのかな。

 すこしだけ、僕自身の願いも込めて答える。

「そうだね」


 途中でレオが眠ってしまったから、花火の途中だけど引き上げることにした。

 もう一度家にお邪魔させてもらって、レオをふとんに運ぶ。

 玄関を出るときに、華音は僕を呼び止めた。

「あのね、キョウジ。あたしも……また、いっしょにみたいな」

 来年もこうして、華音のとなりにいていいんだろうか。

 願わくば、来年も隣にいられますように。

「うん。……僕も、また一緒に行きたい」