当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 レオはすっかり夢中だ。

 こんなに喜んでくれるなら、花火につきあってよかった。

「なんだか、花火って音楽に似てるね」

 つぶやくと、華音は僕を見上げた。

「花火と、音楽が?」

「……うん。花火はさ、ひとつ作るのにもすごく時間がかかるって聞いたことがある。打ち上げると、十秒たらずで終わっちゃう」

 こうして話している間もまたひとつ、花火が上がって散っていく。

「ひとつは短くても、たくさん集まるとこんなに空が華やかになる」

 楽譜の中で、必要ない音なんて一つもない。

 すべての音が繋がって曲になる。

「うん、にてるね」

 華音は僕の手をぎゅっと握る。

「……キョウジのピアノも、きれい」