当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 ドン、と音がして、空が一瞬明るくなる。

 黄色やピンク、様々な光が輪になって散っていく。

 ひとつ、またひとつ。空に花が咲く。

 まわりにいた観覧客が、スマホを空に向けている。

「はなび!!」

 レオがはしゃいで肩の上で跳ねる。   

「きれい」

「うん。きれいだね」

 波が打ち寄せる音と花火の音が入り交じる。

 風向きが変わって、潮の香りに、火薬の香りが交じる。

 煙に覆われた空に花火があがり、光が半分ほど隠れてしまう場面もある。